去年に引き続き、監修を担当する江来と申します。 今作の映画のテーマは「思い出」。 みなさんにも、他人から見たら何てこともないモノが、自分には大変思い入れのあるモノ……。 自分だけしか分からない、思い出が詰まったモノがあると思います。 それは決して目に見えませんが、確かに価値のある思い出の品。 人の感情が、出来事が、その物品をかけがえのない宝物となって輝き出すのです。 ドラえもんが普段から何気ないように付けている首輪の鈴。 静香ちゃんがママからもらった真珠。 のび太君の押し入れに眠っていた、小さなダルマ。 彼らは他人から見れば何気ないモノに、特別な想いを寄せ、心の支えとしているのであります。 ある日、突然、そのモノたちが、自我を持ち、動き回る世界が出てきたら……。 「科学は人間の生活を豊かにしたが同時に心を貧しくしたのではあるまいか」 ドラえもんが生まれるまであと100年というこの節目の年に、我々は、様々な問題に直面しています。 揺らぐ「科学技術」。 見直される「人の絆」。 この国に問いかけられた「幸福とは一体なんなのか?」。 我々は、今までの価値観を改める必要性が出てきたのかも知れません。 2013年映画ドラえもんは本当の意味で、新時代に突入します。 人と物との絆。人と人との絆。 これからの科学技術は我々に何をもたらすのか? この映画が、我々が、我々の子供達が、「心が豊かになる幸福な未来」を迎えるヒントになることを心より願っております。 江来博士...専攻は国際関係学。テレビ番組にて今後の国際情勢の展望について解説する際に、東京に住む小学生N.N君が百点をとったことを紹介し、不可能への挑戦と、それを成し遂げた偉大さをコロンブスのアメリカ大陸発見とアポロ11号の月着陸に比べられる大偉業であると絶賛したことで注目を集めた。 その解説ぶりが人々の大きな反響を呼び、国会でその日を「N記念日」という名称で新たな国民の休日とする法案が衆議院を通過したことは日本史に残る珍事として今でも語り草となっている。 それ以降、江来氏には教育分野での講義の依頼が後を絶たず、教育書も多数執筆している。 |
江来氏近影。 |
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